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お知らせ

網膜剥離について

2025年06月12日


網膜剥離には網膜が破れたことに原因がある裂孔原性網膜剥離と網膜が破れないで発症す
る非裂孔原性網膜剥離があります。
裂孔原性網膜剥離は網膜に何らかの原因が働いて網膜が破れた状態をいいます(網膜裂孔
ともいいます)原因としては眼球の内部を満たしている硝子体というどろどろとした液状
の物質が網膜の周辺部に癒着しているため加齢現象や外部かのちからが加わって硝子体が
変形したり収縮した場合網膜の弱い部分を引っ張ってしまい網膜を破ってしまうことにあ
ります。網膜は光を感じる神経がありますが痛みを感じる神経はありません。そのため早
期の症状はいままでなかった浮遊物が(形は雲と同じで点状のものであったりアメーバ状
のものであったりリング状のものであったりさまざまです)見えるようになったり、浮遊
物がみえている方でも急に増加したりします(飛蚊症といいます)。
眼は瞳から光が入ってきて眼底の黄斑部に画像がうつって物を見るしくみになっていて映
画館のプロジェクターとスクリーンの関係ににておりプロジェクターからスクリーンの光
のとうり道に障害物があると障害物が影としてスクリーンにうつりますが眼も瞳から眼底
の黄斑部にいたる光の経路に眼の中の濁りがあると影として黄斑部に映り飛蚊症として見
ることができます。光が急激に見えるようになることもあります(光視症といいます)。
網膜は引かれると光として見えこのような見え方になります。いずれの場合にも痛みは感
じません。
もし網膜が破れていた場合は放置しておくとしだいに破れている網膜の範囲が大きくなり
これらの症状がつよまりまた眼球内の液化したが硝子体が網膜の下に入りこみ網膜剥離と
なり進行していきます。初期は網膜が破れていても飛蚊症、光視症のみですがしだいに視
野がなくなっていき最終的には失明してしまいます。また急激に網膜裂孔が拡大した場合
は周囲の網膜血管を破ってしまい大きな出血を発症する場合もあります。この場合の症状
は急激に煙のような物が沸き上がってきて真っ暗になる症状となります。この場合は網膜
剥離の進行も早く危険な状態です。
いずれの場合でも初期の症状があった場合放置しないで眼科を受診していれば入院もせず
網膜光凝固術のみで簡単に治療できる場合も多いのです。見え方に上記の状態があったら
周囲の人の意見などを参考にせず眼科を受診しましょう。
非裂孔原性網膜剥離は文字どうり網膜が破れず何らかの組織で網膜がひっぱられ網膜が浮
き上がる(牽引性網膜剥離といいます。糖尿病網膜症の初期からは発症するものではなく
増殖型の末期で硝子体出血を繰り返し線維状の物質ができ網膜を牽引して発症しますが非
常に予後が悪い状態です。勘違いをされている患者様が多くいらっしゃるので繰り返しま
すが糖尿病網膜症初期で発症する病状ではなく末期で発症しますので糖尿病だから網膜剥
離になると心配される必要はありません。)か液状のものが網膜の下にたまって発症しま
す。中心性網膜症よばれていた疾患(現在では中心性漿液性脈絡網膜症といいます。)、
原田病などのブドウ膜炎、網膜下に腫瘍が発症した場合にもこの状態になります。これら
の疾患は根本的に裂孔原性網膜剥離とは異なり中心性漿液性脈絡網膜症以外網膜のみを治
療するだけでなく根本的原疾患の治療が必要です。
いずれにしても眼科を受診し早期発見早期治療がひつようでしょう。