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お知らせ

網膜剥離について

2025年08月07日


網膜剥離は放置していると失明に至る怖い病気です。痛みを伴わないで発症するため放置しがちで視野欠損、視力低下が発症しようやく病院を受診する患者様が残念ながら多い状況です。初期の症状として浮遊物が見え眼をうごかいてもついてくるいわゆる飛蚊症(目の中に硝子体と呼ばれるゼリー状の物質がありこれが混濁したために発症する症状で網膜からの出血が硝子体まで及んだ硝子体出血などもあります。空の雲の形が無制限のように飛蚊症の形も無制限です)、視野に閃光のようなものが見える光視症(インターネットでしらべ閃輝暗点と間違えて放置されやすい症状です)などがありますが痛みを伴わないため放置している患者様が多くなってしまいます。
知り合いの方に相談しても眼科を受診して放置してもかまわないと診断された方がいた場合ご自分もそうなのかと思ってしまい放置しやすい環境ができてしまいます。

網膜剥離は多くの場合網膜周辺部に網膜が破れて発症します(網膜裂孔といいます)。
初期症状で発見された場合には網膜光凝固術といって破れた網膜をレーザー光線を用い治癒させることが可能です。治療は点眼麻酔のみで行うことが可能で入院は必要ありません。小さな網膜裂孔の場合は治療時間も短く治療後も強い振動がある動きをしないでしばらく生活するだけでほとんど生活の制限がなく治癒します。この段階で眼科を受診することが望ましく治療効果は非常に良好です。
放置しておくと網膜裂孔は大きくなりそのうち網膜のしたに液化した硝子体が侵入してきます。この場合でも軽度の状態では網膜光凝固のみで治癒が可能です。しかし網膜剥離が進行し視野に異常がでる場合は手術室で行う手術となります。眼科としては最も大がかりな手術の1つで眼球の後ろに穴をあけ網膜の下にたまった硝子体を排出する手術を行う必要がでてしまいます。そして眼球の周辺の結膜を剥がし網膜裂孔の周辺にシリコンのバンドを逢着しなければいけなくなります。
これらの手術は眼球の後ろでの操作が必要ですので角膜周辺の結膜を全周切開し眼球を動かしている外眼筋と呼ばれている眼の筋肉に糸をかけ眼球を半脱臼させて行うため強い痛みを伴います。手術する施設により異なりますが全身麻酔で行う場合が多くなつています。網膜裂孔の状態によっては術中にガスを眼内に入れ術後しばらくの間下を向いた姿勢で生活をしなくてはいけません。
この手術を行っても治癒しない場合が硝子体手術といって眼の角膜周辺の強膜からカッターをいれ眼内の硝子体を全て除去する手術を行います。治癒率は高くなりますが眼内がすべて水分となるため再度網膜剥離が発症した場合には進行が早く失明する危険もあります。

患者様に注意していただきたいことは初期症状である飛蚊症、光視症が発症した場合にはめんどうでも眼科を受診し正しくご自分の眼の状態を把握していただきたいということです。当院では網膜剥離の原因である網膜裂孔の早期発見につとめており発見した場合には眼球模型を使用して丁寧に説明させていただき網膜光凝固術での早期治療につとめています。すべての病気に共通することですが早期発見早期治療が重要なのです。