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お知らせ

遠視について

2022年05月12日


遠視について誤解されている患者様も多いようです。文字どうり遠くのものが眼鏡なしでよく見える状態を遠視と思われている患者様が大多数でしょう。ほとんどの場合は誤りではありませんが医学的には遠視とは、無調節状態の眼に入った平行光線が、網膜の後方に像を結ぶ屈折状態をいいます。網膜に近いところに像を結ぶ場合は眼鏡なしで遠方を見ることができるためこの名称がつきました。年齢が若い方では眼鏡なしで遠方が見える程度の遠視であれば近くのものも調節力をつかって視ることができます(調節力のある年齢では、軽度の遠視の人は調節をすることによって良好な裸眼視力を得ることができます。このため、学校検診で遠視を見つけにくいことがあります。)

遠視の程度が強くなりますと調節力を使っても眼底に焦点を合わせることができなくなり近くのものを視ることが難しくなります(高齢になるにつれて調節力が鈍ることにより近くの物をみることがさらに難しくなるため高齢になり近くの物をみるための眼鏡を老眼鏡と呼ぶようになりました。)。さらに遠視が強くなると調節力を使っても遠くも近くも見えなくなります。網膜より後ろに焦点が有る状態を網膜面に焦点を結ぶようにするためには焦点を前方にもってくる必要があります。遠視の場合凸レンズの眼鏡を使用することでその状態にすることができます。

凸レンズの度数は+を使って表示します。度数が強くなるほど数値がおおきくなります。

 

遠視の分類

 

程度別分類

・弱度遠視:+3.00D以下

・中等度遠視:+3.00Dを超え+6.00D以下

・強度遠視:+6.00Dを超えるもの

 

発生の成因からの分類

・屈折性遠視:角膜や水晶体の屈折力が弱いために起こる遠視。

・軸性遠視:眼軸長が短いために起こる遠視。

 

臨床的分類

・単純遠視:角膜や水晶体の曲率半径が大きく、前房深度が浅くまた水晶体の全屈折率が小さく、眼軸長が短いなどの不均衡のために起こる遠視です。成長期に適正な屈折矯正を行わないと、弱視になることがあります。

・病的遠視:先天小眼球や扁平角膜などの何らかの疾患により遠視となったものをいいます。

 

調節状態からの分類

・潜伏遠視:調節により良好な視力が得られるので、通常の屈折検査では見つかりません。

・顕性遠視:通常の屈折検査で見つかる遠視です。

・全遠視:潜伏遠視と顕性遠視を合わせたもので、調節麻痺剤点眼により検出されます。

 

小児の遠視の場合には前述したように軽度の遠視では症状はありません。しかし、ある程度以上の遠視の場合は調節しても見えないため、視力発達が不良となり弱視になることが

あります。また、調節に伴う輻湊のため調節性内斜視をきたす場合があります。小児の遠視性弱視または調節性内斜視の場合は、全遠視度数を測定したうえで完全矯正の眼鏡を

処方するのが原則です。また弱視の場合、完全矯正の眼鏡に加えアイパッチなどを視力のいい方の眼に装着し弱視の眼を強制的に使用させる視能訓練が必要となる場合もあります。(幼児期において、約半数以上が遠視眼ですが学童期になると減少しますので遠視眼だからといって必ずしも心配する必要はありません。)