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お知らせ

コンタクトレンズについて

2022年06月27日


近年コンタクトレンズの使用者は急激に増えており、特に若年層への広がりが著しい状態になっています。コンタクトレンズは角膜に密着することから、眼鏡に比較して光学的に有利ですが、管理・取り扱いには注意が必要です。コンタクトレンズを1年間装用すると10人に1人は何らかのトラブルを経験するという統計もあります。通信販売でコンタクトレンズの購入が可能であったりディスカウントショップで処方箋がなくても購入が可能になっているため購入される方の角膜形状にあっていないコンタクトレンズを使用している方も多くいらっしゃいます。そのようにコンタクトレンズを購入される方はコンタクトレンズの長時間装用やレンズケアが適切でなかっなどの原因で角膜の上皮障害を頻繁に起こす方もいます。角膜には血管がなく上皮細胞の代謝に必要な酸素は涙液を介して供給されています。レンズ挿入時には供給は減少するためレンズを入れたまま就寝したり長時間装用が続いたりすると酸素供給が障害され角膜の上皮障害を起こすのです。

また安全にレンズを装用するにはレンズケアが重要です。以前お知らせのところで詳しく説明させていただきましたがレンズ着脱時の手洗い、レンズの洗浄、レンズケースの交換など適切なレンズケア方法を熟知し行うことが重要です。1日使い捨てのレンズは消毒が不要ですがそれ以外のレンズはこすり洗いと消毒が必要です。以前にお知らせのところで説明させていただいたように消毒法には過酸化水素水、マルチパーパスソリューション、ヨード剤などがあります。コンタクトレンズの保存液を適切なものを使用し保存することも大切です。

しかし残念ながら現在の消毒剤はアカントアメーバに対して消毒力が弱くこすり洗いとレンズケースの洗浄と乾燥が必要です(水道水のなかにもアカントアメーバは存在しレンズケースを乾燥させておかないとそのなかでアメーバが増殖してしまいます。アカントアメーバはコンタクトレンズにアメーバが付着してしまうともし角膜上皮細胞に障害が生じたときその部位からアメーバが角膜内に侵入してしまいます。一旦感染してしまうと診断、治療も非常に大変で角膜を削り取りその中にアメーバが存在しているかによってのみ診断ができます。特効薬はなく真菌に効く薬剤を使用しますがなかなか治癒しません。感染していると思われる角膜部位を削りとりアメーバを除去する治療も行いますが繰り返し除去しても完全にアメーバを排除することは極めて困難です。)

 

コンタクトレンズの特性

コンタクルンズ装用眼ではレンズと角膜との間は涙液で満たされ、これを涙液レンズといいます。ハードレンズでは、装着しても形態が変化しないため涙液レンズとの作用により眼鏡で矯正不可能な角膜不正乱視眼や円錐角膜で良好な矯正視力を得ることが可能です。

また、眼鏡レンズでは頂点間距離があるため、網膜像の拡大縮小効果を起こしますが、コンタクトレンズでは、この効果がほとんど起きないため左右の屈折が大きくことなっていても(2D以上左右差がある場合を不同視といい眼鏡による矯正が眼精疲労などの原因で難しくなります)矯正が可能で、強度近視の矯正にも有利です。

 

 

コンタクトレンズの種類

1,ハードコンタクトレンズ

ハードレンズは酸素を通す分子レベルの孔があいたガス(酸素)透過性レンズがほとんどで、角膜よりも小さいため、角膜への酸素供給が良好です。また、ソフトレンズに比較して、レンズが硬いため角膜障害が発症した場合痛みを感じやすく異変に気付きやすい特徴があります。一方でレンズが硬いため初めて使用する方はなれるまで装用感が悪かったりレンズがはずれやすいという欠点があります。毎日のケアが必要ですが、適切なケアをおこなっていれば数年間の使用が可能です。(実際は完璧なケアは不可能な場合が多くコンタクトレンズの汚れや表面の状態が不良になり1年程度で使用が難しくなるケースも多くあります。)

 

2,従来型ソフトレンズ(1day,2week,1Monthでの使い捨てタイプ以外のレンズ)

ソフトレンズは柔らかいため初めて使用する方でもハードレンズと比べて装用感が良くなれるのに時間を要しませんがソフトレンズは素材によっで性質がかなり変わるため使用してからしばらく様子をみる必要があります。通常のレンズとは異なる無虹彩症に対する虹彩付きレンズといった治療用のレンズもあります。毎日のケアが必要ですが、1~2年間使用が可能です(ハードコンタクトレンズの場合と同様の理由で1年程度の使用で交換したほうがよい場合も多く存在します)。

 

3,使い捨て(ディスポーザブル)・頻回交換・定期交換レンズ

使用期間が異なるソフト系レンズで現在の主流となっています。

使い捨てレンズ(1Day)は毎日交換するので清潔でしかもケアの必要はありません。

頻回交換レンズ(2Week)または定期交換レンズ(1Month)は毎日のケアが必要です。ケアの仕方をあやまると角膜上皮障害を発症しますので適切なケア用品を使用し正しく使用しましょう。

文頭の部分でも記載したようにある統計によりますとコンタクトレンズを1年間装用すると10人に1人は何らかのトラブルを経験するという結果がでています。要因として、“定期検査を受けていなかった、長時間装用、レンズが眼に合っていなかった、レンズケアが適切でなかったなどがああげられています。

 

 

過装用と酸素不足

角膜には血管がなく上皮細胞の代謝に必要な酸素は涙液を介して供給されていますがコンタクトレンズ装着時は涙液からの供給が減少します。そのためコンタクトレンズを入れたまま就寝したり長時間装用が続いたりすると酸素供給が障害され角膜障害をおこします。

うっかりコンタクトレンズを装着したまま夜寝てしまった場合なにも問題を生じないでいる運のいい方は大勢いらっしゃるかと思わっれますがそのうち眼を開けられないほどの痛みをともなった角膜障害が発生しますのでご注意ください。