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お知らせ

眼球の両眼運動

2022年11月24日


眼球は左右別の場所にあるため物体を1つに融像して脳で認識するために左右眼の筋肉を絶妙にあやつることが必要になります。眼球には外眼筋と呼ばれる6つの筋肉が付着しており後ほど説明する神経によって動きをコントロールされています。このたびは両眼の眼球運動と視機能について説明いたします。
共同運動

・両眼を同じ方向へ動かす運動のことをいいます。
 ①水平共同運動:右向き運動と左向き運動があります。
 ②上下共同運動:上向き運動と下向き運動があります。
離反運動
・両眼を反対方向へ動かす運動のことをいいます。
 ①内よせ:眼前の1点に両眼の視線を集中させる運動(輻湊運動)のことで右眼を左に左眼を右にそれぞれ反対方向に眼球を動かし近方視を可能にします。
 ②外よせ:両眼の視線を分散させる運動(開散運動)のことで右眼を右に左眼を左にそれぞれ反対方向に眼球を動かし近方視から遠方視を行う時の運動です。

眼球には以下にしめす6つの外眼筋が付着しておりそれぞれ神経によって動きをコントロールされています。
 ①外直筋:外転神経(第Ⅵ脳神経)により動きをコントロールしています。
 ②内直筋:動眼神経(第Ⅲ脳神経)により動きをコントロールしています。
 ③上直筋:動眼神経(第Ⅲ脳神経)により動きをコントロールしています。
 ④下直筋:動眼神経(第Ⅲ脳神経)により動きをコントロールしています。
 ⑤下斜筋:動眼神経(第Ⅲ脳神経)により動きをコントロールしています。
 ⑥上斜筋:滑車神経(第Ⅳ脳神経)により動きをコントロールしています。
これらの神経が麻痺すると眼球運動障害が発症しその結果両眼性の複視が発症します。(片方の眼だけで見ると1つにみえますが両方の眼で見ると2つにみえたりだぶって見える状態です)
両眼視機能
・両眼視とは、両眼を1つのものとして使うことにより得られる視覚をいいます(左右の眼に別々に映った像が、脳において単一のものとして認識することです)。
・両眼を開けて物を見ていることを両眼視といい、両眼視をしているときの視覚を両眼視機能といいます。
・両眼視機能は同時視と融像と立体視に分類できます。融像とは右眼と左眼それぞれの網膜に映った像を脳の視覚中枢で1つにまとめて見る働きのことをいいます。
・立体視とは物を立体的に見る感覚で、これは右眼と左眼が離れていて、それぞれの眼の網膜に映った像の位置がわずかに異なるために起こる現象です。(これを視差ともいいます)。したがって、視差を使った立体視は片眼のみでは起きません。つまり片眼で物体をみても立体的にはみえません。
出生直後の視力および両眼視
・一般的には生後1~2カ月は生理的偏心固視を示し、中心窩固視となるのは、生後6カ月ころになります。したがって生後6か月まではほとんど視力はありません。
・また両眼視の発達は生後2カ月ごろから始まり、1~2歳でほぼ完成するといわれており、さらに6~8歳まで発達していきます。
・一方眼球運動については生後2~3週間では単眼固視の眼球運動をしますが、6~8週になると、共同運動がでてきます。