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お知らせ

プロスタグランジン関連点眼薬の副作用について

2023年03月16日


現在緑内障に対して使用する点眼薬はプロスタグランジン関連薬がファーストチョイスとされています。
副作用として瞼の色素沈着、睫毛の伸長、眼窩周囲脂肪の消失、眼瞼下垂、眼瞼硬化などが報告されています。

島根大学の谷戸先生によりますと
1:瞼の色素沈着は点眼薬による表層に存在するメラニン生成とメラノサイト増殖への影響によるものであるとされています。
2:睫毛の伸長は睫毛の毛包への作用による毛周期の成長期の延長によるとされています。
3:眼窩周囲脂肪の消失(DUES)は瞼の深層の脂肪生成抑制およびこれに続く眼窩脂肪の萎縮に起因しているとされています。
4:眼瞼下垂、眼瞼皮膚硬化は眼瞼のさらに深層部の変化で上眼瞼挙筋の器械的離断、コラーゲン減少によるミュラー筋の変性、細胞外基質のリモデリングが関係しているとされています。

また、島根大学の谷戸先生はプロスタグランジン関連点眼薬の副作用による眼瞼の変化について程度分類を行なっています。
眼瞼に整容的な変化がない状態をグレード0:眼瞼色素沈着、睫毛の伸長のうちどちらか一方でも発症したらグレード1:,上眼瞼溝深化、眼瞼皮膚弛緩の退縮、眼窩周辺の脂肪の消失の1つ以上発症した場合をグレード2:上眼瞼溝深化、眼瞼硬化、眼瞼下垂などでアプラネーショントノメータによる眼圧測定が困難になった場合をグレード3:と分類しています。(グレードが高いほど副作用が強く出現していることを意味しています。)
これらの副作用の予防としてプロスタグランジン関連点眼薬を使用した場合はぬらしたティシュペーパーやガーゼで眼のまわりを拭き取るか目をとじて洗顔するようにしましょう。(入浴する前に点眼するようにしますとどなたも洗顔を意識しなくても行うのでよい方法かと思われます。)