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お知らせ

その他の緑内障の種類

2024年03月28日


続発緑内障の種類

緑内障は原発開放隅角緑内障と原発閉塞隅角緑内障が代表的なものですがその他に続発緑内障があります。
続発緑内障
眼の通常の緑内障以外の疾患や全身疾患から発症する緑内障です。

1) 血管新生緑内障
糖尿病の患者さんで増殖網膜症を発症している方は新生血管が隅角にも発症し新生血管自体が隅角の房水流出路を塞いだり新生血管が破れて線維状の組織や炎症細胞が隅角の房水流出路を塞いだりして発症します。原因となる疾患が糖尿病であることが多く一度発症した新生血管は消失しないため薬物療法は効果はありませんし手術を行ってもすぐに房水流出路がふさがれてしまうため非常に難治性の緑内障で失明にいたる場合がほとんどです。糖尿病の血糖値をコントロールし網膜症の定期的な観察を行いこの状態に至らないよう網膜症の悪化を防ぐ治療をすることが重要です。

2)虹彩毛様体炎による緑内障
虹彩毛様体炎により炎症細胞が房水流出路を塞いで発症する緑内障です。代表的なものにポスナーシュロスマン症候群がありますがこの疾患はステロイド剤の投与やアトロピン点眼の投与、眼圧を下降させるダイアモッス内服、眼圧下降作用を持つ点眼薬を使用し虹彩炎の治療と眼圧の正常化を行えば1週間程度で治癒します。眼圧が60mmHg程度まで上昇し強い視力低下を一時的に生じる場合もありますが予後の良い疾患とされています。何回も発症することがありますがそのたびにしっかりと治療すれば心配のいらない疾患です。ほとんどの患者さんは発症を繰り返しているので御自分の眼の病態を理解している方が多い疾患です。

3)ステロイド緑内障
ステロイド剤を使用するとどなたでも発症する疾患ではなくステロイドレスポンダーといってステロイド剤に反応して眼圧が上昇する体質の方が発症する疾患です。しかし長期にステロイド剤を使用している場合にはステロイド緑内障の既往がなくても発症することがあります。ステロイド剤を投与する時は点眼薬、内服薬とも定期的に眼科を受診し眼圧を測定し20mmHgをこえるようであればできるだけ早くステロイド剤の投与を中止すれば眼圧は正常化します。

4)ぶどう膜炎に伴う緑内障
ぶどう膜(網膜の外側にありぶどうの皮のような黒色の色や形態からその名がついたと考えられています)とは脈絡膜、毛様体、虹彩の総称でこれらの炎症により炎症細胞が隅角の房水流出路を塞いで緑内障を発症します。全身疾患の一部として発症する場合が多いので内科的に全身疾患の有無を精査してもらうことが重要です。眼については通常の虹彩毛様体炎による緑内障の治療を対象療法としておこないます。

5)水晶体のう性緑内障
白内障で過熟白内障の状態(水晶体が真白な状態になったもので白内障の病名の語元ともかんがえられています)でこの状態になりますと水晶体ののう(カプセルの役割をしている水晶体の外壁)を水晶体内部の成分が漏出して房水流出路を塞いでしまうため発症する緑内障で白内障の手術を施行すれば治癒します。

6)網膜剥離に伴う緑内障(Schwartz症候群)
裂孔原生網膜剥離で裂孔が大きい場合網膜の最外層の網膜視細胞の断片(外節)が房水流出路を塞いでしまうため発症すると考えられており網膜剥離の手術を行えば治癒します。

以上緑内障には通常のものと異なる病態で発症するものもあります。これらの緑内障の場合自覚的症状がほとんどの場合発症しますので早期に眼科を受診しましょう。